汚れ・ダメージのメカニズム |
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クルマの塗装の寿命は、一般的に4年から6年と言われています |
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●塗装を劣化させる物質 |
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紫外線、塩分、タールピッチ、鉄粉、塗装粉、チリ、ホコリ、化学物質、鳥の糞、虫アブラなど |
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●塗装を悪化させる原因 |
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手荒な扱いによる人為的なキズ。俗に「サンドペーパー洗車」と言われるような間違った洗車によるもの
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そんな塗装面にダメージを与える様々な症状を理解できれば洗車に対する意識や車に対するいたわり方が今まで |
とはちょっぴり変わってくるはずです。 |
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汚れのメカニズムを知る |
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汚れにくい状況・汚れない状況にするためのヒントがいっぱい! |
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1.経年劣化
2.粒子状飛来物 3.酸性雨 4.イオンデポジット 5.洗剤残滓クレ-タ- 6.ウォ-タ-スポット 7.虫の死骸 8.鳥のフン |
9.トンボのフン
10.塩害 11.WAXムラ 12.チョ-キング 13.チッピング 14.スクラッチ 15.水アカ 16.雨ジミ |
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1 経年劣化(人間でいう老化現象) |
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時間の経過と共に塗装面が硬化していき、柔軟性がなくなる。艶(ツヤ)がなくなってくる。人の肌と同じです! |
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シワやシミも人ほどではありませんが現れます。 |
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アスファルト道路に含まれるタールピッチの付着や紫外線(UV)の攻撃も屋外を走る限り避けられませんし、普段のメンテ |
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ナンスレベルにより年令と共に個人差が広がってくる!これは人も車も同じ事がいえるようです。 |
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いい年超えて「艶っぽいね〜ェ」なんて言われてみたいもんです。 |
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経年劣化を防止するのは、定期的にこまめに洗車をする!人間の老化防止よりかはやさしいのではないでしょうか? |
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2 粒子状飛来物(空中を漂う厄介者) |
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エントリ−NO.1 鉄粉・ブレーキダスト(ブレーキパットのカス)・鉄道の線路(周辺3〜4km)・工事現場・等で発生します。 |
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線路脇の柱が黒くなるのもこの鉄粉野郎。線路脇駐車場は避けたいですね!放置しておくと塗装面にくい込み錆の原因 |
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ともなります。タバコのセロファンで簡単にチェックできます。ケミカル粘土で落としましょう! |
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エントリ−NO.2 樹液 春から夏にかけての成長期に多発。付着したまま長期間放置すると、汚れを引きつけて硬化し、
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無理にはがそうとすると塗装剥離を起こすこともあります。また、樹脂成分によっては、塗装が変質することもあり、侮れ |
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ません。一番ガンコなのは松ヤニ!アルコールでふやかしてケミカル粘土と磨きで除去しますが、シミになってしまったら |
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取れません。 |
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エントリ−NO.3 チリ・ホコリ 工場密集地帯や交通渋滞の中ではガス、酸、塩などの化学物質を含んだチリやホコリなど |
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にさらされています。年間1.6q四方に約1000トンもの目に見えないゴミが東京にふり注いでいる!と言われますが、 |
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塗装に悪いものばかりなのです。さらに直射日光の下では、粘着性、浸透性が高まり、変色の原因になります。屋寝付きの |
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駐車場ってやっぱりあこがれますね! |
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エントリ−NO.4 外装塗料吹きつけ、ローラー塗装の飛散防止策の不備による被害です。もちろん工事現場周辺で多発します。 |
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被害は請求できるので、現場の人に被害状況を確認してもらい、保険の適用など、損害の復旧をしてもらうことを勧めましょう! |
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工事現場付近の路上駐車は避けましょう。塗装等の修理工場から戻ってきた際にも要チェックです! |
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No1・No2・No4のダメージは基本粘土で除去できます。
No3に対しては定期的にこまめに洗車をする!しかないですね! |
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3 酸性雨(頭皮にもよくないぞ!) |
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雨や洗車の後、塗装面についたままの水滴が、塗装の内部にしみ込むことがあります。また水分が蒸発することで、酸性雨に |
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含まれていた酸が強くなり塗装を傷めます。 |
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酸・アルカリクレーター
塗装表面が水玉状にクレーターになっている状態。水滴が乾いたように見えます。
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雨の降り始めは特に酸性度が高くレモン汁が降っているようなものなのです。そしてさらに乾くことによって強い酸になり塗面 |
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上のワックス分と雨が、シリコンを焼き、クレーター状の浸食汚染が輪紋状につきます。(水輪紋) |
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濃色車によく目立ち、ワックスや水アカ落としなどで磨いても取れません。基本的にはコンパウンドの磨きで落とす(正確には |
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へこんでいる高さまで塗装を剥いでしまう)しかありませんが、これには限界があるので、完全に除去するのは困難です。 |
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酸性雨の被害が一番大きいドイツの車は、最近は塗装も厚く、非常に硬さを増して酸性雨に対抗しています。
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酸性雨の被害を防ぐには雨の日、雨上がりの洗車しかないです。雨上がりにカァーと晴れると気持ちが良いですが、車の塗装 |
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のことを考えると、早く洗車しなきゃ〜ってかんじです。でも、ちょっと大変かも・・・・・ |
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4 イオンデポジット(クレーターに似てはいるが) |
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クレーターと同様に水滴が乾いたように見えるシミのことです。クレーターとは逆にごく薄く盛り上がり、全体的に白く見える |
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のが特徴。 |
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これは水道水に含まれる成分が、水分の蒸発によって取り残されたもので水は面積を減らさず、体積を減らして蒸発するので、 |
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王冠状の縁として残ります。このイオンデポジットは意外に多い。 |
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水道水を使用して洗車をする以上避けられないが、水滴を残さずふき取ることで防げます。 |
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5 センザイザンシ洗剤残滓クレ-タ-(拭き上げはしっかりと!) |
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洗剤をよく洗い流さなかった場合に起こるもので、上から見てもその存在は確認できます。 |
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水滴が乾いたように見えるシミで、わずかに窪んでいて、白っぽく見えます。洗車の際に落としきれなかった洗剤が、塗装面の |
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状況、水分、酸素、太陽光線などと複雑に絡み塗装を浸食するものです。 |
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程度の軽いものは磨いて除去できます。防ぐには、よくすすぎ、水滴を残さないように拭き上げるにつきます。(炎天下の洗車は
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特に注意)洗車による水滴を完全に拭き上げるのは結構大変な作業です。 |
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6 ウォ-タ-スポット(水玉が作る虫眼鏡) |
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塗装面の上に水滴が残り、水滴をレンズとして、直射日光が塗装面を焼いてできるシミのこと。(虫眼鏡で紙を焦がすのと同じ) |
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太陽光線は、クリアー層を通り抜けて、焦点が合うベースコート面を焼いてシミを作ってしまうのです。これは上から見ても |
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わかりません。馬の蹄のようなシミです。 |
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磨いても除去できません。防ぐには、よくすすぎ、水滴を残さないように拭き上げるにつきます。(炎天下の洗車は特に注意) |
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WAXによるコロコロ水滴が裏目にでてしまうんです。 |
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水玉レンズ効果 |
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7 虫の死骸(ナムアミダブツ) |
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夏などの虫の活動期、高速走行中に大量の虫の死骸が付着します。シュウ酸カルシウム、タンパク質、多糖酸、蟻酸などを含み、 |
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腐食成分や、固着成分のはたらきで、塗装を傷めます。さらに放置すると、紫外線によってさらに酸化が進み変質、変色を招きます。 |
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無理にこすらず、 粘土とコンパウンドで除去します。
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8 鳥のフン(何故か?洗車直後にやられること多し) |
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成分は複雑で、タンパク質、カルシウム、アンモニア、砂、セルロースなどを含み、腐食成分、固着成分のはたらきで、塗装を |
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傷めます。虫の体液同様、放置して酸化が進むと、変質、変色を招きます。 |
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発見したら、硬化する前に取り除きたいが、硬化してしまったら、、擦らずに、水で濡らしたティッシュでふやかして除去します。 |
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ふやかすのに結構時間がかかります。フンの中には砂も含まれています。 |
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9 トンボのフン(きれいな車である証拠) |
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夏から秋にかけての活動時期に被害が多発します。しかも鏡面仕上げの車に多い。(どうやら水面と勘違いしているようです。) |
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黄土色や茶褐色の糸のような付着物がガンコにつきます。太陽熱で焼きつくので洗っても落ちない場合が多いです。フンと同様に |
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卵を生むこともあります。 |
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粘度とコンパウンドで除去します。なお、変質、変色を起こしてしまったら、磨きでもとり切れ無いことがあります。 |
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特に炎天下についたものは、深い窪みになって腐食するので要注意! |
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10 塩害(サ-ファ-&スキ-ヤ-) |
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海浜地帯の潮風による塩害の他に、融雪剤、解氷剤(凍結防止剤)の中に氷点降下剤として含まれる無機塩類による塩害が考え |
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られます。また、劣化したワックスは、空気中の浮遊酸や塩分を吸収し、塗装にチョーキング現象(後で詳しく説明します)を |
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引き起こし、サビを発生させます。サビは、塩化物イオンのはたらきで、発生を促進させるので、海帰り、スキー帰りには必ず |
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洗車で除去しましょう。できれば下回りを高圧洗浄することもお勧めします。 |
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まず、OIL交換時とかに、自分の車の下回りを見てみましょう! |
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11 WAXムラ(きれいにしているつもりが・・・) |
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ワックスの塗りムラや、ギラツキや、光沢の不安定化を言います。ワックスの無駄掛け、ふき取りの不徹底が原因です。 |
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ワックスは本来、0.5ミクロンものっていれば十分なのです。それ以上は油膜や汚染吸着の原因となるばかりか、余剰ワックス |
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が塗装上で熱や紫外線などと反応して焼き付くと、酸化して変質変色のもとになります。 |
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一度、塗装診断してもらいましょう! |
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12 チョ-キング(水垢落としすぎに注意!) |
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塗膜が劣化して光沢を失って、表面に粉をふく現象です。ソリッド塗装に多い現象で、紫外線や、水アカ落としのしすぎなどによ |
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って、塗装表面が壊されて、顔料が表面に浮き出してしまう現象です。塗料の質による要因が多い。 |
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13 チッピング(早期発見&早期対処) |
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跳ねた小石などによる塗装の欠損。この欠損が地の金属部まで達した場合、深刻なサビを発生を許してしまいます。 |
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金属部が見えるようなチッピングを発見したら、サビが発生する前に、タッチアップなどで補修をしましょう。重傷チッピングを放 |
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置するとカサブタのように塗装が浮きだし剥がれます。(スキャーブコロージョン)こうなると本格的な補修塗装が必要となります。 |
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14 スクラッチ(洗車道具を再度見直そう) |
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ヘアラインスクラッチ(滑条痕)一筋の髪の毛のような細く長いキズ。塗装上で粒子状の汚れを引きずってしまったために出来る |
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キズです。洗車や、ふき取りの際に作ってしまうことが多く、頻度が高いので,キズとキズが錯綜し、ぎらつくようなキズを作って |
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しまいます。(リング光彩)意外と雪かきの際につけてしまうケースも多いので要注意。鉛筆ライン迄傷つくとペンシルラインライン |
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スクラッチ、10円パンチをコインスクラッチと言います。スキー場の駐車場ではコインスクラッチというよりボードスクラッチ被害が |
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続出しております。 |
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キズの見分け方 中性洗剤を滴下した水でキズを濡らします。キズが見えなくなれば磨きで消えますが、消えないようなら補修 |
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塗装が必要です。また磨きと言っても、傷の深さや形状によって磨く方向(浅ければキズに平行に、深ければキズに直角に)な |
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ども変わるので要注意です。 |
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15 水アカ(2種類あります) |
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1)塗装面に塗布されたワックスが熱によって溶解して汚れを吸収してしまったモノ。 |
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2)ドア廻りや、ミラーの付け根などからグリースや接着剤がしみだし、この油についたもの。 |
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つまり、水アカとは、汚れた油と汚れたワックスのことを指すのです。 |
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さらに詳しく・・・・・・・ワックスは、塗装面に塗布されると半液体状で塗装に付着してツヤと撥水性を保持しています。それ以降 |
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1〜2週間くらいで、ワックスを形成している溶剤が蒸発し続け、50%〜70%が消滅します。後に残ったロウ分は、ワックス本 |
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来の機能を果たすことが出来ずに、大気中の汚れや排気ガスなどの汚染物質が吸着し、角質化していきます。これが水アカ |
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の発生過程と考えられています。 |
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おまけ・塗装面には、無数の小さな通気穴(ピンスポット)があります。この通気穴には、温度の上昇とともに開き、温度の下降 |
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とともに閉じるという性質があります。つまり温度差で伸び縮みするわけです。人間の皮膚や植物とにていますね(摩訶不思議) |
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このピンホールが開いているときは異物が入りやすくなります。はじめはピンホールに引っかかっている状態でも、開閉を繰り |
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返すうちに塗装の中にまで入り込んでしまいます。炎天下でのWAX掛けでは、拭き取りムラよりもピンホールから塗装内部迄 |
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浸透してしまうリスクを考えておきましょう。 |
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16 雨ジミ(こわ〜) |
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ボディが熱いときに雨が降り、一気に冷やされると雨滴がしみ込んだ状態で塗装のピンホールが閉じて、洗車でも落ちなくなるもの。 |
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