「あめ玉」

 

ビンのふたを開けると 甘い匂いがした

赤に黄色に緑にオレンジ 白い粉をまぶした丸いあめ玉

どれも とてもおいしそうに見えた

ともだちが ちょうだいと言って赤を口に放り込む

からころと音がして わたしの鼻にも香りが届いた

ともだちは笑顔で あぁ幸せ 最高 なんて言う

別のともだちは黄色を選んだ

さっきとは違う匂いが ビンから抜けていった

他の子がオレンジを食べた おいしい おいしいと笑う

その幸せが羨ましくて 最後に残った緑をつまんだ

舌に乗せようとして ふとビンを見る

からっぽのビンには 何も残っていない

ともだちは みんなどこかへ行ってしまった

わたしはひとりでビンを見つめる

いつまでたっても空っぽだった

口に入れた緑のあめ玉 甘くて苦い味がした



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