ブレードの製作と性能

1 1号風車のブレード

    外装用の合板 20×35Cm
直径1m 6枚
ひねり角を20°にして取り付ける。
ブレードの総面積は3660cu

2 3号風車のブレード

 3o厚の塩ビ板
直径1m 4枚
水道用VP管で、ひねり角15°にして取り付ける
ブレードの総面積は3200cu

3 5号風車のブレード

   

2mm.厚のアクリル板
直径1m 6枚
水道用VP管で、ひねり角15°にして取り付ける
ブレードの総面積は3100cu

4 8号風車のブレード

   1.5mm.厚の塩ビ板 10×23Cm 12枚を直径80cm
水道用VP管で、ひねり角15°にして取り付ける
ブレードの総面積は2760cu
補強と性能向上のために、曲面に加工してある

5 局面の加工方法

塩ビ板を熱湯に浸けて柔らかくし、写真のようにポリバケツ(直径35〜40Cm)の内側に押し当てて成型します。
斜めに押し当てると、「ねじれ」を付けて、根元と先端の傾きの角度を変えることができる。

6 パイプをカットして作るブレード

 直径21Cm,3mm厚の塩ビ管
(排水用ライト管)
 塩ビ管を3又は4等分する  その1枚を斜めに2等分すると、 「ねじれ」のあるブレードができる

7 自作発電機に適したブレードの検討

  試作発電機の1号機(6極)と2号機(8極)で、4m/s程度の弱い風で最も効率の良いブレードを探ってみることにしました。

  この実験に使ったブレード

NO.1 ブレードの長さ 28Cm 
     中心から先端まで 42Cm
 NO.2 ブレードの長さ 32Cm
     中心から先端まで 46Cm
 NO.3 ブレードの長さ 35Cm
     中心から先端まで 49Cm
 NO.4 ブレードの長さ 38Cm
     中心から先端まで 52Cm

4 〜5m/s程度の風の時の各ブレードと回転数、充電電流の測定

   
(大型扇風機で風を送ったが、風車の場所によって風速がかなり異なる
    ので、風車全体に当たる風速は正確なものではない。)

自作発電機 1号機(6極直列 100rpmで全波整流後12V)の場合

 次のグラフは、No1〜No4のブレード、3枚と6枚のときの回転数と充電電流です。

 無負荷(発電機を接続していないとき)のとき、風車の原則どおり、
直径が小さくて、ブレードの枚数が少ないほど回転数は大きくなっていますが、
発電機を接続したときの充電電流は小さい。
 直径を大きくして、ブレードの枚数を多くすれば、無負荷での回転数は小さいが、
風車が風から受け取るエネルギーは大きくなるので、充電電流は大きくなっている
ことが分かる

2号機(8極直列 100rpmで全波整流後7V)の場合

 風速とブレードの条件は同じでも、この発電機の場合、
1号機に比べて同じ電圧を発生させるための回転数が大きくなるので、
No4のブレード3枚のときが、充電電流は最大になっています。

考   察

* 弱い風(4m/s程度)では、1号機(6極)に、大きなブレードを6枚にしたときが、最も
   効率が良くなりました。

* 2号機(8極)では、弱い風(4m/s程度)の場合、6枚にすると回転数が小さくて、電
   圧が不足するようです。

* 直径約1mの風車で、4m/sの風から得られるエネルギーは、最大で約18Wです。
  1号機(6極)に4号ブレードを6枚付けたときの充電電力は 12×0.45=5.4Wで、
  総合効率は、約30%になります。

* 弱い風で効率を上げようとするときは、発電機の直流抵抗は多少大きくても、低速の
  回転で高 い電圧が得られる発電機の方が有利だという結果になりました。

  もちろん、直流抵抗が小さくて高い電圧の得られる発電機が良いのは当然ですが。

* 強い風での効率は多少犠牲にしても、4m/s程度の弱い風で効率を良くしようと
  思えば、ブレードの枚数を多くして、翼面積を大きめにした方が良さそうです。
  エアロゼン2のブレードの形が納得できます。

* 自作発電機のようなコアレス方式のノンコキングの発電機は「さすが」という感じです。
  「なぎ」の時以外はいつ見ても回っています。1m/s弱の風でも回転していて、
  2m/s程度から電流計が動き出します

7.発電機とブレードの相性

  2号機(8極直列)に、3次曲面の高速回転用のブレード(3枚羽根 直径90Cm)
 を取り付けて実験していたときに、興味ある現象が見つかりました。

  風速 4m/s 程度の時、無負荷時の回転数は 540rpm
 このときの周速比は、6.35 になります。

  この状態でバッテリーに繋ぐと、回転数が急激に落ちて、205rpmになり、充電
 電流は120mAでした。上記No4ブレード3枚のときの無負荷時の回転数は
 370rpm充電時の回転数は250rpmで、充電電流は400mA程度でした。
 この発電機に対しては、高速用のブレードよりも低速用のブレードが適しているようです。

  そこで、高速用のブレードに適した発電機をさぐるために、次のように
 8個直列のコイルのうち1個づつ切り離して7個、6個、5個にしたときの回転数と
 充電電流を測定してみました。

 コイルの極数  充電電流(mA) 回転数(rpm)  周速比 
 8極 無負荷       540   6.35 
 8極 充電時      120     205   2.94
 7極 充電時      230     270   3.18
 6極 充電時      300     350   4.12
 5極 充電時      260     450   5.29

  この実験では、6極のときで周速比4.12のときに充電電流が最大になりました。
 このブレードを製作された坂本さんのデータでは、周速比が 4〜4.5あたりが最も
 効率が良いとのことでしたので、今回の実験結果とよく一致しています。

 このブレードに適した発電機としては、2号機のコイルを5個と6個の間の発生電圧
(約 0.7倍)になる性能のものが良さそうです。

  2号機は、100rpmで直流7Vでしたので、100rpmで 直流5V が得られる
  発電機を目標に、慣性重量を小さくするために、ネオジウム磁石を使った
発電機 3号機
  製作してみました。  3号機の製作過程はこちら


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