* 羽根の枚数が多くなると起動制は良くなるが、回転数が上がらなくなる。直径を小さくすれば回転数は上がるが起動性が悪くなる。ハブダイナモで、弱い風(4m/s程度)でも充電できる風車としては、半径40〜50Cm、総翼面積は2800〜3000平方Cmは必要だろう。ブレードの数を6枚以上にすれば、まずまちがいなく充電できそうです。12枚ブレードは、1m/s程度の弱い風でもよく回ります。

* 「頭打ち」の状態について
 5枚羽根以上の風車では、2〜2.5m/s 程度の風で充電を始め、倍電圧整流の場合には、4〜5m/s程度の風で 220mA〜250mAの電流が流れて飽和状態になり、それ以上強い風が吹いても電流は増加しない。(理由はよくわからない。)
 全波整流の場合は、電圧が12Vに達するまで(150回/分程度)は充電できないが、風速が大きくなれば300mA、400mA と増加していく。
  3枚羽根の10号風車では、回転を始めるとすぐに150回/分程度まで回転数が上がるので、全波整流にしたほうが有利なようだ。

* 5m/s以上の風は滅多に吹かない私の地域では、倍電圧整流の方が有利だと思われるので、倍電圧整流で充電している。

* 1日の充電量は風次第ですが、4〜5m/s の風が1時間吹けば、3台で約8W、12Vで0.7Ahの充電ができるはずです。ハブダイナモの他に、コアレス方式の発電機(コアレス発電機の製作参照)2台で、4〜5m/s の風が1時間吹けば、12Vで1Ahの充電ができる。5台では、1時間に1.7Ahの充電ができる。

* 現在使用している洗濯機に水を汲み上げるポンプは、2台で、12V−2.5A程度です。池の水面から 4〜5m の高さのタンクへ一杯汲み上げるのに約1時間かかっているので、風車だけで汲み上げるには、4 〜5m/s の風が1.5時間以上吹く必要がある。 夏場はそんなに風が吹いてくれないので、しかたなく、小さな太陽電池パネル(12V−8Wと12Vー12W仕様の物各1枚)を併用している。

* かざぐるま型風車を実験中に、不思議な現象を発見しました。バッテリに繋いで充電を始めると、回転数は少なくなりますが、ダイナモの出力を短絡させると、急に回転数が増加しました。普通であれば、短絡してたくさん電流が流れれば、負荷が大きくなって、回転数は減少するはずです。数種類のダイナモで試してみましたが、同じような現象が見られました。10Ω程度の抵抗を繋ぐとブレーキがかかりました。
  コアレス型の場合は、短絡すると急激にブレーキがかかります。
     材 質   形 状   摘         要
試  作  1    材 質  バルサ材
 形 状  半径 30Cm、
       幅 6.5Cm
 ひねり角 中心部で 15
       先端部で4°
 手始めに、加工しやすいバルサ材で2枚羽根を作ってみました。
扇風機の風で回しながら調整して、かなりスムースに回るようになったので、自転車の発電機(タイヤに擦りつけるタイプのもの)に取り付けて実験を始めましたが、かなり強い風でないと実用にはならないようなので、3枚羽根の実験に移りました。
試  作  2     材 質  バルサ材
 形 状  幅 6Cm
ひねり角 中心部で15°
       先端部で 4°
 試作1よりも、起動性は良くなったが、風速2〜3m/sでは到底実用にはならないので、 半径の大きな物(試作3)を作ってみました
 この羽根は、自作の風速計に使用していましたが、突風で支柱に接触して破壊しました
試  作  3   


材 質  ラワン材
 形 状  半径 60Cm
       幅 12.5Cm
 ひねり角 中心部で 12°
        先端部で 4° 

 なんとか形になりましたが、動バランスがうまく取れなくて多少振動しましたが、結構回りそうなので、増速して自動車用のファンモーターで実験しましたが、なかなかうまくいきそうにありません。
発想を変えて、自転車のハブダイナモの使用を考えることにしました。
 
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ハブダイナモの風力発電
   風     車  形     状  性     能 摘     要 
1 号 風 車 材質 外装用の合板
形状 6枚羽根
    半径 60Cm
    幅 20Cm
    ひねり角 20°
全翼面積 3660cu
発電機 ハブダイナモ
      6V-2.3W
3m/s程度の風が吹けば、毎分120回転は回り、交流6Vの電圧が得られる。これを倍圧整流して12Vのバッテリーに接続すれば、わずかだが電流が流れて充電できる。  手元にあった材料で、最初に製作した風車です。羽根の取り付けには、25mmの角材を使っています。
 12年12月の突風の時、取り付け方がしっかりしてなくて、羽根が支柱に接触して破壊しました
2 号 風 車 セールウイング型
    6枚羽根
    半径50Cm
    ひねり角不明
総翼面積 4150cu
発電機 ハブダイナモ
     6V-2.3W
2m/s程度で起動

2.5m/s程度で充電を 始め、4m/s〜4.5m /sで220mAで頭打ち
 (倍電圧整流)
製作が比較的簡単で、動バランスも取りやすい。水道用の塩ビ管とステンレスのワイヤを使用している。
布を取り替えながら、現在も元気に発電しています。
3 号 風 車 材質 硬質塩ビ
    4枚羽根
半径 50Cm
     ひねり角は
     中央部20度
     先端部10度
総翼面積 3200cu 発電機ハブダイナモ
     6V−3W型
 5,6枚羽根に比べて、起動制は劣るが、5m/s程度の風になれば、回転数は大きくなる。  羽根の取り付けは、水道用の塩ビ管。

H14年2月、強風で塩ビのパイプが折れて、羽根が1枚破壊したので、取り外しました。
4 号 風 車 材質 2oアクリル
形状  5枚羽根
    半径 50Cm
    ひねり角は
    中央部20度
     先端部10度総翼面積 3230cu  発電機 ハブダイナモ
      6V−2.4W
起動制は、4枚と6枚の中間  羽根の取り付けは、水道用の塩ビ管。
 手元にあった寄せ集めのアクリル板で、厚みや大きさが違う物もあって、動バランスが悪くて、回転数が上がると振動しだすので、現在は取り外している。  
5 号 風 車 材質 2oアクリル板
形状 6枚羽根
    半径 50Cm
    ひねり角は
    中央部20度
    先端部10度
総翼面積 3100cu
発電機 ハブダイナモ
      6V−2.4W
起動制は一番よい。2m/s程度の風でも回転を始めるが、充電が始まるのは2.5m/秒程度から。  羽根の取り付けは、水道用の塩ビ管。
 5号風車同様寄せ集めの材料なので、現在は取り外している。
6 号 風 車   「かざぐるま型」
0.5mm厚の塩ビ版
 600mm×600mm
発電機 ハブダイナモ
      6V−2.4W
3m/s 程度の風で 140回転程度回り、100mA程度充電。
  風力発電用としてはほとんど使われていないが、実用になりそうだ。 
ダイナモへの固定は、100mmの排水用塩ビ管で、中央のパイプの長さでかざぐるまの厚みを調整します。
  13年12月の突風で破損した。0.5mm厚の板では強度が不足。 
7 号 風 車 材質 1.5o塩ビ板
形状 8枚羽根
半径 35Cm
  折り曲げ角は45度
総翼面積 2800cu
発電機 ハブダイナモ
      6V−2.4W 
1.5m/sで起動、
2m/sで充電開始
4m/sで150mA
5m/sで230mA
で頭打ち
(倍圧整流の場合) 
半径35Cmでは小さすぎた。半径40Cmぐらいにすれば、4〜4.5m/s程度で頭打ちになるのではないかと思われる。
 強風で破損しました。 
8 号 風 車   材質 1.5o塩ビ板
形状 12枚羽根
    半径38Cm
    ひねり角17度
総翼面積 2760cu
発電機 ハブダイナモ
    シマノインターL 

1m/sで起動、
2m/sで充電開始
4m/sで220mAで頭打ち
(倍圧整流の場合)

羽根の取り付けは、水道用の塩ビ管。

 1m/s程度の弱い風でもよく回る。
8m/s程度の風でも問題なく回っている。 
9 号 風 車 材質 1.5o塩ビ板
形状 6枚羽根
    半径45Cm
    ひねり角17度
総翼面積 3150cu   発電機 ハブダイナモ
      6V-2.4W

2m/sで起動
2.5m/sで充電開始
4m/sで230mAで頭打ち
(倍圧整流の場合)

羽根の取り付けは、水道用の塩ビ管。
8,9号の羽根は、塩ビ板を熱湯に浸けて柔らかくして、そりを付けて、強度を大きくするように工夫してみた。 

10 号 風 車 材質 ラワン材
形状 半径60Cm
    幅 12.5Cm
    ひねり角
    中心部 12°
    先端部で4°
総翼面積 2250cu
発電機 ハブダイナモ
      6V-2.4W
3〜3.5m/sで起動
いったん回転を始めると、3m/sでもよく回り、200mA
4m/sで270mA
5m/sで330mA
 (全波整流の場合) 

これは、試作3号のブレードですが、動バランスが悪くて振動している。
回転を始めると、すぐに回転数は大きくなるので、この風車では倍電圧整流よりも全波整流の方が有利なようです。
 突風で、溶接部分が破損して支柱に接触し、ブレードも破損しました。 

 風車の製作については、全く見当がつかなかったので、 「風力発電機製作ガイドブック」を参考にしながら、自転車の発電機(タイヤに擦りつけるタイプのもの)に取り付けるブレードの試作から始めました。
 実験を初めてあらためて気付いたのですが、瀬戸内海から20Km程北の山間の地域なので、 5m/s程度の風はめったに吹きません。2〜3m/sの風で発電を始め、5m/s以内の風で充電してくれる装置でないと実用にはなりません。
  弱い風でも起動して、トルクも得やすい風車としては、多翼型の風車が考えられます。多翼型では回転数が上がらないので、 低速で実用になりそうな発電機として、最近の自転車に使われている前輪のハブに取り付けてある発電機(ハブダイナモ)で実験してみることにした。 自転車が15Km/時で走っているときの前輪の回転数は、約125回転/分なので、毎分120回転程度の風車で実用になるはずですので、 手元にあった建築用の外装用合板で製作したみました。