「ブックエンド」あとがき

 

2004年7月30日脱稿。

父方の祖父はろくに働きもせず、囲碁とお茶に明け暮れた道楽者で、
一代で身上を食い潰した文字通りの穀潰しだったそうです。
その祖父が亡くなった翌年にぼくは生まれたのですが、
祖父の命日とぼくの誕生日がかぶっていることや、
生まれたばかりのぼくの顔が、祖父の死に顔にそっくりだった(らしい)ことから、
「あの道楽じいさんの生まれ変わりだ」などと言われていました。

子供の頃は割りと“いい子”だったぼくとしては、その言い種を理不尽に思っていたのですが、
さすがにこの齢になると地金が出てくるものです。
やっぱりぼくはじいさんの生まれ変わりかもしれません。
食い潰す財産がないのは残念ですが、あれば喜んで道楽に精を出すに違いありません。

 

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