「南東北学園、五回表の死闘」あとがき
2008年9月22日脱稿
プロ野球や甲子園の本大会とは違って、
高校野球の地方予選には得失点差によるコールドゲーム、
最終回を待たずして試合終了という制度があります。
地方によって差違があるようですが、だいたい五回の表裏で10点以上、
もしくは七回の表裏で7点以上の差がついていた場合コールドゲームになるようです。
とはいえ、地方予選のスコアを見てみると、信じられないような点差の試合があります。
十年くらい前に100点以上差がついていた試合があって、
こんなになると負けてる方はもちろん、勝っている方もげんなりするでしょう。
そんなずたぼろの試合を見るたびに、野球とは残酷な競技だと思います。
サッカーなら試合時間を消化すればそこで終了になるのですが、
野球の場合、どれだけ負けていようとも、規定の数、
相手からアウトを取らないかぎり、負けることすらできないのです。
試合放棄という手もありますが、プロ野球という「次のある」舞台とは違い、
「今しかない」高校野球においては、母校の名誉を背負って出場した選手が、
勝てそうにないからやめました、と言うのはかなり抵抗もあるでしょう。
ビールでも飲みながら、文庫本片手に野球を観るのが好きなぼくとしては、
高校野球のひたむきで、しかし追い詰められたような緊張感は耐え難いものがあります。
決勝エラーとか、もう観てらんないです。