国語 和歌の知識

古文の問題では,和歌の基本的な知識が必要となることがあります。
少しずつ覚えていきましょう。
呼び方 ◆ 「和歌」のほかに,「やまとうた」・「短歌」・「みそひともじ(三十一文字)」という。
 初めの五・七・五を上の句または本(もと),後の七・七を下の句または末(すえ)という。
基本の形 ◆ 五・七・五・七・七の五句,三十一音で構成される。
◆ 字余り・字足らず=句中の音数が五・七と異なるものをいう。
和歌の贈答 ◆ 平安時代には和歌によるやりとりが,
 男女間だけでなく同性同士や家族間でも盛んに行われました。
◆ 返す側の心構えとしては,
  (1) 早く返す
  (2) 贈られてきた歌の中の言葉などを取り入れる
  (3) 恋愛の場合は少し上から見下ろす感じで切り返す
句切れ =意味や調子のうえでの切れ目。
 初・三句切れは七五調・・・優しく軽やかな感じ。
 二・四句切れは五七調・・・力強く重々しい感じ。
枕詞(まくらことば) =特定の語に係り,調子を整える五音の言葉。
◆ 茜さす・・・日・朝日など
◆ あしひきの・・・山・峰など
◆ あらたまの・・・年・春など
◆ 青丹(あおに)よし・・・奈良
◆ 岩走(いわばし)る・・・滝・垂水(たるみ)・近江など
◆ うつせみの・・・身・命・世など
◆ 唐衣(からごろも)・・・着る・袖など
◆ 草枕・・・旅など
◆ さざなみや・・・滋賀・大津・夜など
◆ 白妙(しろたえ)の・・・衣・袖・雪など
◆ 魂極(たまきわ)る・・・命・心・内など
◆ 垂乳根(たらちね)の・・・母・親
◆ 千早(ちはや)ぶる・・・神・宇治など
◆ ぬばたまの・・・夜・闇・黒など
◆ 久方(ひさかた)の・・・天(あま)・空・光など
これ以外にも,出会ったら覚えていきましょう。
序詞(じょことば) =調子を整えて次の語を導くが,音数や導く語は不定
  序詞の使用は作者の独創による。
掛詞(かけことば) =同音異義語を用いる技巧で,一語に他の意味を重ねる
縁語(えんご) =歌の中心的な語に意味のうえで関連のある語句を詠み込む技法
折句(おりく) =各句の初めに物の名などを1字ずつ置いたもの
本歌取り(ほんかどり) =有名な古歌の一部を詠み込んで内容を広げ深める