郭奉孝かくほうこう モノローグ



 ひどく機嫌が悪かったのです。
 ええ、本当はもっと早くに気づくべきでした。
 あの時は戦局がたいそう不利でしたので、機嫌が悪いのはそのためだろうと思っていたのです。
 皆、そう思っていました。
 愚かでした。
 だってあの方は、他のどんな困難な時であっても、笑顔を絶やしたことなどなかったのですから。



 あの方と出逢ったのは、私が二十八歳になったばかりの時でした。
 時代は乱世を迎えていました。二十歳の頃より私は、世の趨勢を見定めるつもりで、姓名を隠し山中の庵に身を潜めていました。
 仕えるべき君主を、見誤りたくはなかったのです。

 最初、北の袁紹(えんしょう)のもとに赴きました。
 けれどしばらく話したのち、私は失望し、彼のもとを去りました。
 袁紹はへりくだった態度の底が尊大で、物事の根本が見えていない。
 とうてい、私が仕えるに足る君主ではありませんでした。

 袁紹を見限った私は、そして同郷の士である荀文若(じゅんぶんじゃく)の推挙で召しだされ、あの方に逢いに行ったのです。

 あの方は、群雄割拠の乱世に頭角をあらわした、新興勢力のひとり。
 姓を曹、名を操、字(あざな)を孟徳(※そうそう もうとく)といいます。

 私はわざと身なりを乱し、汚れた格好であの方にまみえました。
 あの方は両手を広げ、満面の笑みで私を出迎えました。
 私の身なりにはまるで頓着せず、気付きすらしないふうで、彼は私の手を握り背中を押して部屋の奥へと導きました。

 聞いていた通り小柄な方で、彼の頭が私の肩の高さにありました。

 彼は気さくで、よい声をしていました。
 広げた地図を見ながら、私たちは天下の形勢について語らいました。
 彼は驚くほど頭の回転がはやく、先を見通す目は鋭く澄み渡っていました。
 私たちは夢中で話し、ふと顔を見あわせると、笑いだしました。

「わしに大事を完成させてくれるのは、まちがいなくこの男じゃ」

 彼は書記官を顧みると、嬉しそうに言いました。
 私も、退出すると左右のものに言いました。

「まことに私の主君だ」

 そうして、私は新設の参謀職・軍祭酒(ぐんさいしゅ)として、あの方の臣下となったのでした。


 あの方は本拠である許都(きょと)に天子を奉戴し、確固たる地盤を築きつつありましたが、四方を敵に囲まれ戦に明け暮れる日々でした。
 私はすべての戦にお供し、軍師荀攸(じゅんゆう)を筆頭とする参謀たちのひとりとして、軍事に参与しました。

 忙しいさなかにあっても、彼は遊びの心を忘れないお方でした。
 軍中、思いつくままに詩を詠み、楽の音にあわせて唄います。
 それがまた、よい声なのです。
 私は詩のことはわかりません。でも彼の唄に人の心を解き放つ力があるのは、感じ取ることができました。
 彼の唄に感動して涙を流す兵士は、少なくありませんでした。


 軍を連れて城につくと、彼はよくお忍びで城下の散策に行きました。
 痩躯で背が低く、これといった特徴のない柔和な顔立ちをしたあの方は、変装はお手のものでした。

 護衛もつけずに出歩くのですが、それは彼自身、超一流の剣のつかい手であるがゆえでした。
 平民の衣服に着替え冠を取ると、彼はもう、いくつもの城と領土を統べる軍人には、とうてい見えませんでした。

 そしてどういうわけか、私はそのお供として選ばれることが、とても多かったのです。

 古参の将軍や高位の謀臣をさしおいて、なぜ新参者の私が選ばれるのか、人は首をかしげました。
 なかには、あからさまな羨望や嫉妬や敵意の目を私に向けてくるものもありました。

 言ってしまえば、気に入られていたのです。

 あるいは私の身に染み付いた遊興のにおいを、感じ取っていたのかもしれません。
 十代の頃に、私は一通りの遊びを済ませてしまっていました。

 夜の歓楽街を、私たちは痴れ者のふりをして歩きました。

 時にはよさそうな店を選んで入り、そのまま夜を明かすこともありました。
 最初はそれぞれ気に入った娼妓を連れて別々の部屋に入るのですが、一時(いっとき※約二時間)を過ぎると、あの方が女とともに私の部屋に移ってくるのが常でした。

 それからまたひとしきり飲んで騒いでまぐわって、短い眠りののち、早朝に店を出て城に帰り、何事もなかったかのように本来の姿に戻るのでした。
 その切替えは見事なものでした。
 もっとも、私の方は二日酔いと疲れで、帰るなりへたりこんでしまうことがほとんどでしたが。


 その夜が来るまでに、多くの時は必要ありませんでした。


 毎回のごとく、私たちは女を連れて別々の部屋に入り、しばらくしてあの方が女とともに私の部屋にやって来ます。
 私は心地好く酔っていました。

 あの方も、酔っていました。薄い衣一枚羽織っただけの体はいかにも情事の後というふうに火照っており、酒で潤んだ瞳はかすかに焦点を失い、黒髪はほどけ、濡れたような艶を帯びて肩にかかっています。

 仄暗い灯のせいばかりではありませんでした。

 私の目には、ともにいる二人の娼妓よりも、彼の方がよほど麗しく映ったのです。

 私は、彼が欲しくなってしまいました。

 彼の顎に指先をそえて引き寄せ、軽く睫毛を口に含みました。
 彼は目を見開いて私の顔を見ました。
 その目がはじらっているようで、私の欲望に火がつきます。

 二人の娼妓が「アラ」とか「マア」とかささやきながら、さざめくように笑いました。

「ほうこ……う」
 彼が私の字を呼びました。
 私の手は、彼の脇腹をまさぐっていました。
 抱き寄せて唇で唇をふさぎました。

「……ン……」

 彼は身をよじり、私から目線を外して体をかたくしました。
 おや、彼は男相手は初めてなのでしょうか?
 うぶな彼の反応に私は内心驚き、そしてますます情欲をかりたてられます。

 私は彼が羽織っている薄衣を肩から外し、床に落としました。

 彼の肉の薄い、ひきしまった体には、無数の傷跡が刻印されていました。
 色白の皮膚を縦横に走る刀傷。
 星紋のような矢傷。
 爛れて変色した火傷の痕。

 そのひとつひとつに私は口づけし、舌でなぞりながら、少しずつ、彼の最も熱い秘部へと近づいていきました。

 彼の手が私の髪を掴みます。

 ふと遠ざかり、胸の小さな突起をよく濡らしてから尖らせた舌先で転がすと、痙攣のような激しい反射とともに彼が背中をのけぞらせました。
 食いしばった歯の隙間から、堪えきれない声が漏れ出ます。

「ク……ッ――ンンッ……」

「主公……」

 何と可愛らしい方なのでしょう。

 私は反応の大きかったその一点に狙いを定め、集中的に攻めました。
 まるで別の生き物のように、彼の背中に反射が走ります。

「ア……ア……アアァアァ……ハッ……」

 私は再び彼の唇を吸い、舌で上下の歯を開かせその奥をくすぐりました。
 舌と舌の触れあう、やわらかな感触。

「ア……奉孝……! 奉孝……!」

 獣じみた声をあげて私の髪から両手を離し、武人らしい力強さで、がむしゃらに抱きしめてきます。
 彼が自分を解放した瞬間でした。

 最初、彼は男相手は初めてなのかなと思いました。
 それは見当違いでした。

 それどころか彼の体は、男に抱かれ慣れていました。
 敏感過ぎるくらい、彼の体は感じやすく、またしなやかでした。

 いったいどこの誰に、こんなにも開発されたのか。
 顔も知らないその男に、私は嫉妬以前に驚嘆を禁じ得ませんでした。

 私は彼の最も熱い部分にはあえてなかなか触れず、近づいては遠ざかりを繰り返しつつ、彼が自分から求めてくるのを待ちました。

「奉孝……おぬし……」

 切なげな声が最後まで言い終えるその前に、彼の体がのけぞり、私の背中に彼の爪が喰い込みます。
「わざと……アッ……焦らしておるな……?」
「臣下の私は君命を待たずして攻め入るわけには……」
 意地悪く私が言うと、彼はクククと笑いました。

「よい」
「は?」
「ゆけ。軍祭酒ゆるす」
「ははっ、ただちに――」

 勝った、と私は思いました。

 私は彼の膝をそっと割りました。
 もどかしそうに息づいているそれを深く口に含み、唾液を絡め強弱をつけて刺激を加えながら、後部の城門を指で撫で付けるようにして徐々にほぐしていきます。

「んっん……う……っ」

 苦しそうな声とは裏腹に、彼の体が私を受け入れる態勢を整えていくのが感じられました。

 じゅうぶんに機が熟すのを待って、私は彼の体内に分け入りました。
 最後のあがきのように強く押し返す力が働きます。

 低いうめき声とともに、彼の脚が硬直して筋張り、さまよい伸ばされた手が何もない宙を掴みます。
 私は容赦せず、そのまま突き進みました。行き着くところまで。

「あっ、あっ、あっ、ん……あ……ッ……」

 最奥を蹂躙された彼の喘ぎは弱々しく、悲鳴は声になりませんでした。

 そこから先はもう、ただ荒ぶる自分を鎮めるためだけに、私は彼の肉体を思うさま使いました。


 ……奉孝……奉孝……奉孝……もっとだ……もっと……わしを……殺せ……


 身を切るような快楽の連続に力尽きた、白いまどろみの果て。
 耳の奥に残る木魂で、私は目を覚ましました。

 安物の薫物の残り香が、夜具にいやらしくまとわりついています。
 辺りを見まわすと、灯はすべて燃え尽き、帳の向うからやわらかな陽射しが透けて入り、チラチラと舞う埃を浮き立たせていました。
 部屋の隅では、二人の娼妓が裸の体を寄り添わせて平和な顔で眠っていました。

「主公……主公……?」

 珍しく、彼はまだ眠っていました。
 いつもなら、先に起きて身支度を整え、私を蹴り起こすのが彼の役目でした。

 朝陽にさらされた彼の顔はまるで白い石か何かのように見えました。
 彼の体は、私の腕の上にクタリと覆いかぶさっています。

「……主公、重い……」




 戦でした。
 許都より二百里北、黄河南岸の官渡(かんと)で宿敵・袁紹と対峙すること数ヶ月。
 その兵力差、袁紹軍の十分の一。

 私が初めてあの方と出逢ってから、二年と半年あまりが過ぎていました。

 戦局は思わしくありませんでした。
 袁紹は圧倒的な数の有利で曹操軍をジリジリと力押しで攻め、最後の砦である官渡にまで押しやると、前線にずらりとやぐらを造らせ、曹操陣営内にいっせいに矢を射かけたのです。

 昼夜問わず降り注ぐ矢の雨に将兵は外に出ることもままならず、枯渇しつつある兵糧の問題と相まって、曹操軍は苦戦を強いられました。

 この頃のことでした。
 あの方から笑顔が消えたのは。

 毎日開かれる軍議に姿を見せる彼は、いつになく不機嫌顔で、言葉少なでした。
 軍議ではいくつもの策が搾り出され、日々議論されましたが、現実的なものはひとつとしてありません。

「使えぬ!」

 彼は吐き捨てるように言いました。

「議論のための議論など、時間の無駄じゃ。使える策をよこせ……!」

 私は彼に個人的に可愛がられていたとは言え、おおぜいいる参謀のひとりに過ぎませんでした。

 彼に最も信頼され、一番近くまで行くことがゆるされていたのは、最古参の将軍で彼の従兄弟でもある、夏侯惇(かこうとん)という男でした。
 戦場で左眼を失い盲夏侯(もうかこう)とあだなされる彼は、いかにも荒武者といった風体に似合わない温和な性質で、目に見えない根底の部分で彼を支えているようでした。

 彼の寝室にまで出入りが自由とされていたのは、将軍ただひとりでした。

 夏侯将軍の穏やかな眼差しは、常に彼に注がれていました。
 彼はそれを当然のものとしてほとんど意に介さないようでした。

 ふと私は、彼をあそこまで男に抱かれることに慣れた体にしたのは、夏侯将軍なのではないかしら、と勘繰りました。

 すぐに自分の中で打ち消しました。

 彼を見る将軍の瞳はあくまでも雛を見守る親鳥のそれでしたし、二人の間にそこまでギラついたものは感じられません。

 よけいなことを考えました。
 策を練らねばなりません。
 彼のために、この状況を打開する策を。
 それだけが私がここにいることの意義です。

 けれど広げた地図と模型の前で、私の思考は緩慢となり、ついには停止してしまいます。

 何かが、私の集中をさまたげています。
 白く強張った不機嫌な彼の顔が、地図上に溢れて落ちました。

 私は立ちあがり、部屋を出ました。
 急ぎ彼の居室に向います。

 居室前の廊下で、私はひとり歩く彼の後姿をとらえました。
「主公」
 呼び止めた私を振り返った彼の顔色は蒼白でした。
 今思えば、厠に行こうとしていたのでしょう。
 彼はいぶかしげに私を見詰めました。声は出しませんでした。

「主公、もしや、お加減が悪いのでは――」

 追いついて肩に手をかけると、彼はビクリとして振り払いました。

(サ ワ ル ナ――!)

 次の瞬間、彼は頭を抱えてくずおれました。

 私が抱きとめると、彼はイヤイヤをするように身じろぎしました。
 両手で口を覆い、そして我慢の限界に達したように、指の間から吐しゃ物をふき出させました。

「主公……なぜです……。なぜ我慢など……」

 私は上半身を支え、背中をさすって彼が吐きやすいようにしました。
 ひどく咳き込んでいるのが心配でした。
 吐いたものが逆流して肺臓にでも入ったら取り返しがつきません。

 気配に顔をあげると、茫然とした表情で立っている夏侯惇が目に入りました。

「……孟徳……」

「夏侯将軍、軍医を……軍医を呼んできてください」

「わ、わかった」

「よいですか、ふれまわってはなりませぬぞ!」

 つい、将軍に向ける言葉の口調がきついものになってしまいました。
 あれだけ近くにいながら、夏侯将軍は彼の不調に気がつかなかったのです。

 自力で立ちあがろうとする彼を私は無理やり抱いて引きとめました。
 冷たい体でした。
 吐いて消耗したことで体温を奪われたのでしょう。それ以上冷やさないよう、私は全力で彼の体を抱きしめました。
 彼は頭を抱え、歯ぎしりしながら私の腕の中で暴れました。更に二度、嘔吐しました。

 夏侯将軍が軍医を連れて戻ってきました。



「――ただの頭痛じゃ。病などではないわ」
 体を温める薬湯を不味そうにすすって、彼は弱々しい声で言いました。
 薬を飲むため、軍医に支えられて寝台に胸から上だけをもたげています。

「そんなに吐いて、真っ蒼な顔をして? それを病と言うのではないですか?」
「以前にもあった。感染もせぬし死にもせぬ。我慢しておればそのうち治る」
「でもそれで不機嫌になられたのでは、臣下としてはたまったものじゃありません」

「減らず口を…… こやつはナマイキじゃ。なあ、そう思わぬか、元譲(げんじょう※夏侯惇の字)?」
 夏侯将軍が困ったように笑いました。

「それに、有効な治療法とてない……」
 彼はそうつぶやいて手に持った薬湯をじっと見詰めました。

「さあ、ごまかしてないで、さっさと飲んじゃってください」
「うええ……これは実に不味いのう……」
「美味い薬湯なんかこの世にありません!」

 ブツクサ言いながらも、彼は薬湯を一息に飲み干し、器を軍医に手渡して横になりました。

「もしかして薬湯が飲みたくないから我慢していたとか」

「……うるさいわ……」

 少しして、彼は再び苦しみだしました。

 頭を抱えて身をよじり、飲んだ薬湯をぜんぶ吐いてしまいました。
 夏侯将軍が辛そうに唇を噛んでいます。

「元譲……もう退出してくれぬか……こんな姿……おまえに見られたくない……」

「だが、孟徳…… ――いや、わかった」

 夏侯将軍と一緒に私も退室しようとすると、彼の手が私の袖を引きました。
「奉孝は残れ。少し話がある……」
 夏侯将軍は私の顔を見て頷き、私を残して部屋を出ました。
 その後で軍医も退らせて、部屋には彼と私の二人きりになりました。

「話って何です? 主公」

「――わしを抱け、奉孝」

「はあ?」

 あまりにも素っ頓狂な彼の言葉に、私の声は裏返りました。

「おまえのはすごいからな。抱かれたら治るやもしれぬ」

「なっ…… 何を言いだすかと思えば……」

 彼の苦しみは続いているのでした。
 目の上に両手を押し当て、髪の毛を束で掴んで握りしめるので、髪がごっそりと抜けてしまうのではないかと危ぶまれるほどでした。
 手の影になった目尻から、涙が一滴、こぼれ落ちました。

「……」

 私は彼の手の上に、そっと自分の手のひらを重ねました。

「盲夏侯が聞き耳を立ててますよ、きっと」

「……よい……よいのだ……」

 彼の声が泣いていました。


 ――あの夜、彼は私を求めて求めて、気絶するまで、求め続けました。
 もっと、もっととねだる声が、今も耳の奥に残っています。
 あの体の無数の傷跡が、血を噴きそうに色づき、焔の模様を描きだしました。
 彼は、異常でした。
 そしておそらく、私も――


 私は屈みこんで彼の耳元に唇を寄せ、言いました。


「ばーか」
 
 
 居室を出ると、思った通り、夏侯将軍が廊下に立っていました。
 私たちの会話はぜんぶ聞こえていたはずです。
 でも彼は動揺はしていませんでした。
 何もかも承知しているかのような静かな眼差しで、私の顔を見据えます。

「おかしなやつだろ。孟徳って」

 将軍が、ちょっと哀しそうにほほ笑んで、言いました。

「ま、ボクが主君に選んだお人ですからね」

 そして私は、哀しそうな将軍に言いました。

「やっぱり夏侯将軍が傍にいたほうがいいみたいですよ。ボクじゃあ、欲望のままに彼を壊してしまいかねない」

 夏侯将軍は黙って頷き、彼の居室に戻りました。
 しばらく様子をみていましたが、彼が将軍を追い出す気配はありませんでした。


 ……。

 ……奉孝……奉孝……奉孝……もっとだ……
 もっと……わしを……殺せ……

 ……殺せ……


 居室を離れて歩きつつ、私は耳に残る彼の声を聞いていました。
 幾度か立ち止まっては振り返り、彼と夏侯将軍のいる方を見やります。

「あ〜あ、もう……やってらんねえ」


 それから彼は見事に復活し、驚異の逆転劇で官渡に袁紹を降すこととなります。
 が、それはこれよりも数ヶ月のちのお話。
 我が陣営はいましばし、苦戦が続くこととなりそうです――。







おわり





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